最新の感染症流行状況　第43週（10/20～26）

インフルエンザ	注意報発令中	依然増加中
水ぼうそう	注意報解除	今週は増えている（波がある）
りんご病	警報解除	ほとんどいない。
流行性角結膜炎	警報発令中	多くはないけど続いている
新型コロナ		落ち着いている
その他の感染症		落ち着いている(ポツポツ程度)

【流行状況のまとめ】

インフルエンザは依然患者数増加中で注意報発令中。
その他には水ぼうそうがポツポツみられる状況。ただし、局所的な流行はある。
流行性角結膜炎（アデノウイルス感染症）は警報発令中となっているが、実感としてはそれほど多い感じはしない。多分、局所的な流行にとどまっているのだろう。
お子さんが通っている保育園の流行状況に注意することが一番大事です。
りんご病はほぼ収束したと思われる。

◎インフルエンザ（注意報発令中）  

9月に入った頃より増加し始め、10月に入って「注意報」の基準を超え,下旬になっても依然増加中。

他の都道府県は最近になってインフルエンザが増加してきているので、沖縄県はだいたい1ヶ月ぐらい早く流行が始まっている。10月19日の時点でも全国平均の5倍の患者数でまだ圧倒的に多い状況が続いている。（NHK発表のデータは全国集計後のものなので、沖縄県発表のデータより１週間遅れです。第42週の表参照）
実際第43週現在でも依然増加中です。

コロナと対照的にインフルエンザはまだまだ増加中です。患者の年齢分布もコロナとインフレエンザは対照的です。コロナは老人が圧倒的に多く、インフルエンザは５〜９才を中心とした小児が多くなっています。（ただし、乳児は少ない。）

ほとんどはA型です。実際当院では今シーズンはB型の患者さんはほとんどいなかったのですが、先週、今週とたまにポツポツとみられるようになってきました。ただし、これからB型も増えていくのかはもう少し経過をみないとなんともいえません。

インフルエンザの感染予防には「手洗い」「咳エチケット」「換気」「予防接種」が有効です。予防接種を受けましょう。特に受験生の方は万全を期すためにも受けた方がいいと思います。

◎水痘（水ぼうそう（注意報発令中）） 

9月まではポツポツといった発生数でしたが、10月に入って急に増えてきて「注意報」が発令されていましたが、前週(42週)は患者数が少なかったですが、今週43週はまた増えています。まだ波がある状況ですので引き続き注意してください。ただ、定期の予防接種を受けている方がある程度いますので、そんなに感染者が増えることはないと思います。（神森小学校の１年生のクラスでは学級閉鎖がみられたりと、局所的な流行はあるようだ。）

水痘の定期予防接種は1歳から3歳になるまでに2回接種となっています。未接種や2回目がまだのお子さんは早めに接種をお願いします。

◎伝染性紅斑（りんご病）（警報解除） 

沖縄県全体では7月から続いていた警報が10月に入って解除になりました。その後も少ない状況が続いていますが、ただ浦添市を含む南部地区ではまだ警報レベルを維持していますから引き続き注意が必要です。//

りんご病は飛沫感染により感染するため咳エチケットや手洗い等の標準的な対策が有効で、予防のためのワクチンはありません。妊婦に感染すると流産・死産や重度の貧血、胎児水腫の恐れがあるため、妊婦は流行している施設や集団へ接触しないよう注意が必要です。

◎流行性角結膜炎（警報発令中） 

前週同様、減少傾向がみられますが、まだ警報レベルを維持しています。流行性角結膜炎は目からの分泌物を介して感染するため、タオルや目薬など目に接触するものの共用は避けましょう。
また、おなじくアデノウイルスの感染が原因でおこるプール熱も時々みられるがそれほど多くない。

◎新型コロナ 

現在ごくたまにみられる程度で落ち着いている。ただ、下のグラフのように周期的に流行が繰り返されてるので周囲・施設（学校）の感染情報に注意が必要。

※数値などのデータは43週（10/20～10/26）時点での状況です。統計データは集計のため1～2週間の遅れがあります。それらのデータ、プラス直近１週間の実際の診療現場での個人的な感想を加えた形での報告ですのであくまで参考程度に読んでください。
※参考資料：感染症発生動向調査（沖縄県感染症情報センター、沖縄県南部保健所）、感染症データと医療・健康情報（NHK）