最新の感染症流行状況 2026年第10週(3/2~3/8)

| インフルエンザ | ●●● | 減少那覇市・南部地区で警報レベル |
| 水ぼうそう | ● | 横ばい南部地区で警報レベル |
| 感染性胃腸炎 | ●● | 横ばい。注意報レベル以下の発生数が継続中 |
| 溶連菌感染症炎 | ● | 横ばい |
| 新型コロナ | ● | 横ばい |
| りんご病 | 横ばい | |
| 流行性角結膜 | 横ばい | |
| その他の感染症 | 横ばい(ポツポツ程度の発生) |
沖縄県感染症情報センターからの週末の定期報告(今年の第10週報)が発表されました。
前回は、南部・那覇地区を中心にインフルエンザが年末から年始にかけて上下動していたインフルエンザですが、第8・9週に引き続き今回第10週(3/2~3/8)と3週続けて減少という結果になりました。(下図参照)
前回に引き続きインフルエンザを中心とした報告となります。
インフルエンザは本島全域で警報レベル続くも、患者数は減少傾向、。
南部・那覇地区を中心に年末から年始にかけて上下動していたインフルエンザですが、ここ3週は減少傾向が続いています。まだ警報レベルは続いていますが、今後は流行が終息に向かっていくものと思われます。また、水疱は南部地区では前週から警報レベルの流行が続いています。その他には感染性胃腸炎が注意報レベルではないものの前週同様一定数の流行が継続、溶連菌もそれほど多くはないもののポツポツみられています。他の感染症は引き続き落ち着いた状況が続いています。
◎インフルエンザ(那覇・南部地区で警報発令中)
沖縄県のデータをみると、これまで述べたように年末年始から一時急増し(地区によっては)警報レベルとなりましたが、その後上下動していましたが、第8週から3週間減少傾向が続いています。(下の折れ線グラフ参照)
ただ、インフルエンザの型をみてみると、ほとんどがB型に置き換わっており、そのB型の数もここ1〜2週間は減少傾向で、その結果全体のインフルエンザ患者数は減少傾向が続いています。(下の棒グラフ参照)
印象としてはこれからは流行が収束していくことと思われます。


沖縄県内の地区別の流行状況をみると(上の表参照)、本島はまだ警報レベルが続いていますが、今週は全ての地域で減少しています。
(北部・南部・那覇地区は一度警報レベル(30)に達したため収束基準の10未満になるまで赤色のままになっています。ちなみに沖縄県全体としては一度も警報レベルの30には届いていません。)

一方、全国のインフルエンザ流行状況をみてみると、上のグラフのように、全国他の都道府県では流行が急速に拡大・収束するという経緯を辿っており、それに比べ沖縄県は警報ラインに届かないレベルの流行がダラダラと続いていたという状況が明らかです。大きな流行の流れは同じとしても実際の流行状況は沖縄県と他の県とはかなり違った動きをしていることがわかります。
B型インフルエンザはA型に比べると高熱になるケースが少なく、全体の症状も軽い傾向があると言われていますが、なかには高熱が続いたり胃腸炎症状が強くでる患者さんも結構いますので注意が必要です。また症状が軽い患者さんでは迅速検査が陽性になるまでの時間が長くなる傾向があり、実際はインフルエンザなのに検査で引っかからない「隠れインフルエンザ」も少なくないものと思われます。
インフルエンザの感染予防には「マスク」「換気」「手洗い」「予防接種」が有効です。
◎水痘(水ぼうそう)
南部地区では先週から警報レベルが続いています。水痘は潜伏期間が約2週間と長く、(予防接種を受けている子が多いため)症状も軽い患者さんが多く、インフルエンザのような大規模な流行はみられませんが、ダラダラと続く傾向はあります。
定期の予防接種がまだの方は忘れずに早めに受けましょう。
◎新型コロナウイルス
新型コロナウイルス感染症はデータ上は大きな動きはなく、低いレベルで推移しています。
ただここ2〜3週間、少しづつではあるものの明らかな増加傾向がみられています。(上記折れ線グラフ参照)
実際の外来でもインフルエンザ疑いで来院した患者さんが検査したらコロナだったという例が時々みられるようになっていますので、今後の動向に注意が必要です。
※最近の集計結果では新型コロナの死亡者数が相変わらず多いことが改めて示されています。このことは別の記事で報告する予定です。
◎感染性胃腸炎
感染性胃腸炎は南部保健所からのデータでも注意報レベル以下ではあるものの、前回同様、引き続きある程度の患者数があるようです。データ上は明らかな増加・減少傾向はありません。ただ、最近の当院の外来では急性胃腸炎症状(下痢・嘔吐)の患者さんがやや多いという状況が続いています。
胃腸炎症状の際はトイレの後、オムツの取り替え、吐物の処理などの処置後の手洗いをしっかりすることが重要です。
◎その他の感染症
溶連菌も県の報告数としてはそれほど多くはないものの、外来ではインフルエンザに合併したり、インフルエンザを心配して来院したら溶連菌だったという患者さんが少なからずみられます。実際の患者数は報告されているよりも多いものと思われます。
その他の感染症は、保健所のデータ上は少ないながらもある程度の発生数はあるようですが、当院外来に限ってはほとんど目立たない状況です。こういう場合は、各保育所単位での小規模の患者数ということで、お子さんの保育所の感染状況を随時チェックすることが重要です。
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※数値・図表などは下記情報源の最新のデータからの引用です。沖縄県の場合全体のデータは先島も含めたものですので、当院近隣の状況をできるだけ反映させるために感染動向に関しては浦添市を管轄している南部保健所のデータを優先して取り入れています。統計データは集計のため沖縄県単独で1週間、全国比較データは2週間の遅れがあります。それらのデータに、直近1週間の実際の診療現場での個人的な感想を加えた形での報告ですのであくまでそのつもりで参考にして下さい。
※参考資料:感染症発生動向調査(沖縄県感染症情報センター、沖縄県南部保健所)、感染症データと医療・健康情報(NHK)
