最新の感染症流行状況 2026年第13週(3/23~3/29)

| インフルエンザ | ●● | 微減本島中南部地区で警報レベル |
| 水ぼうそう | ● | 増加南部地区で警報レベル |
| 感染性胃腸炎 | ●● | 横ばい。注意報レベル以下の発生数が継続中 |
| 溶連菌感染症炎 | ● | 横ばい |
| 新型コロナ | ● | 横ばい |
| りんご病 | 横ばい | |
| 流行性角結膜 | 横ばい | |
| その他の感染症 | 横ばい(ポツポツ程度の発生) |
沖縄県感染症情報センターからの週末の定期報告(今年の第13週報)が発表されました。
南部・那覇地区を中心にインフルエンザが年末から年始にかけて上下動していたインフルエンザですが、第8週から下降に転じています。前週は一時やや増加しましたが今週は再び減少傾向になっています。(下図参照)
この報告執筆時点(4/3)では、インフルエンザ・コロナ以外の感染症データはまだ更新されていないため、第12週のものになります。
インフルエンザは本島中南部で警報レベル続くも、患者数は明らかに減少。
インフルエンザは2月中旬頃より減少に転じ、前週に一時微増しましたが今週は再び減少しており全体的な流れとしてはこのまま緩やかに終息に向かうものと思われます。一方、新型コロナ感染症が前週まで数週間増加傾向でしたが、今週はやや減少しておりどうやら急激な拡大にはならないようです。
また、今年初めての麻しん(はしか)患者が南部地区で1人発生しており、沖縄県のワクチン接種率が全国最低な事もあり、今後の感染拡大が心配です。その他には、水疱は南部地区では前週から警報レベルの流行が続き、感染性胃腸炎が注意報レベルではないものの前週同様一定数の流行が継続、溶連菌もそれほど多くはないもののポツポツみられています。
◎インフルエンザ(中南部地区で警報発令中)
沖縄県のデータをみると、第8週から4週間減少傾向が続き、12週に一時的な増加がありましたが今回13週には減少傾向に戻っています。(下の折れ線グラフ参照)
インフルエンザの型をみてみると、ほとんどがB型に置き換わっており、そのB型の数もここ2〜3週間は減少傾向で、その結果全体のインフルエンザ患者数は減少傾向が続いています。(下の棒グラフ参照)
インフルエンザやコロナの患者数の減少は、学校が春休みになったことも影響していると思います。

沖縄県内の地区別の流行状況をみると(下の表参照)、北部・那覇市で終息基準値まで減少しており、中南部はまだ終息レベルには達してませんが低いレベルであり、先島(八重山)地区での患者数の一時的な増加がなければ県全体でも注意報レベル以下まで患者数は減ってきています。
(表の赤色は各地区毎の警報レベルを示しており、県全体では今シーズンまだ一度も警報レベルに達していません。)

一方、全国のインフルエンザ流行状況をみてみると、下のグラフのようにここ1ヶ月は全国も流行が終息に向かう傾向は同様です。ただそれ以前の流行状況をみてみると、全国他の都道府県では流行が急速に拡大・収束するという経緯を辿っており、それに比べ沖縄県は警報ラインに届かないレベルの流行がダラダラと続いていたという状況が明らかです。大きな流行の流れは同じとしても実際の流行状況は沖縄県と他の県とはかなり違った動きをしていることがわかります。

B型インフルエンザはA型に比べると高熱になるケースが少なく、全体の症状も軽い傾向があると言われていますが、なかには高熱が続いたり胃腸炎症状が強くでる患者さんも結構いますので注意が必要です。また症状が軽い患者さんでは迅速検査が陽性になるまでの時間が長くなる傾向があり、実際はインフルエンザなのに検査で引っかからない「隠れインフルエンザ」も少なくないものと思われます。
インフルエンザの感染予防には「マスク」「換気」「手洗い」「予防接種」が有効です。
◎新型コロナウイルス
新型コロナウイルス感染症はインフルエンザに比べると低いレベルでの推移ですが、ここ数週間、少しづつではあるものの増加傾向が続いていて心配していましたが今回第13週ではやや減少がみられており、少なくても急激な感染拡大はなさそうです。(上記折れ線グラフ参照)
実際の外来でもインフルエンザ疑いで来院した患者さんが検査したらコロナだったという例がみられますし、保育園や学校レベルでの限定した小流行もみられるようです。今後の動向に注意が必要です。
※最近の集計結果では新型コロナの死亡者数が相変わらず多いことが改めて示されています。このことは別の記事で報告する予定です。
◎水痘(水ぼうそう)
南部地区では先週から警報レベルが続いています。水痘は潜伏期間が約2週間と長く、(予防接種を受けている子が多いため)症状も軽い患者さんが多く、インフルエンザのような大規模な流行はみられませんが、ダラダラと続く傾向はあります。
定期の予防接種がまだの方は忘れずに早めに受けましょう。
◎感染性胃腸炎
感染性胃腸炎は南部保健所からのデータでも注意報レベル以下ではあるものの、前回同様、引き続きある程度の患者数があるようです。データ上は明らかな増加・減少傾向はありません。ただ、最近の当院の外来では急性胃腸炎症状(下痢・嘔吐)の患者さんがやや多いという状況が続いています。
胃腸炎症状の際はトイレの後、オムツの取り替え、吐物の処理などの処置後の手洗いをしっかりすることが重要です。
◎その他の感染症
溶連菌も県の報告数としてはそれほど多くはないものの、外来ではインフルエンザに合併したり、インフルエンザを心配して来院したら溶連菌だったという患者さんが少なからずみられます。実際の患者数は報告されているよりも多いものと思われます。
その他の感染症は、保健所のデータ上は少ないながらもある程度の発生数はあるようですが、当院外来に限ってはほとんど目立たない状況です。こういう場合は、各保育所単位での小規模の患者数ということで、お子さんの保育所の感染状況を随時チェックすることが重要です。
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※数値・図表などは下記情報源の最新のデータからの引用です。沖縄県の場合全体のデータは先島も含めたものですので、当院近隣の状況をできるだけ反映させるために感染動向に関しては浦添市を管轄している南部保健所のデータを優先して取り入れています。統計データは集計のため沖縄県単独で1週間、全国比較データは2週間の遅れがあります。それらのデータに、直近1週間の実際の診療現場での個人的な感想を加えた形での報告ですのであくまでそのつもりで参考にして下さい。
※参考資料:感染症発生動向調査(沖縄県感染症情報センター、沖縄県南部保健所)、感染症データと医療・健康情報(NHK)
